中村哲さんの突然の訃報に衝撃を受けました。中村さんのことを知ったのはいつだったでしょう。もう覚えていないくらい昔のことです。その頃中村さんは井戸を掘っておられました。医師として赴き、子どもたちが清潔な飲み水がないために病気になり、死んでいく現実に向き合い、日本の市民の援助を得て現地の人々と井戸を掘り始めたのです。
戦争や民族間の争いが絶えず、タリバンやISの台頭、アメリカの対テロ組織攻撃など、中村さんが活動されていた地域は不安定な世界の情勢の最前線でした。それでも、すべての日本人スタッフを帰国させた後も、中村さんは一人現地にとどまり、自ら水路の建設現場に立ち続けました。
命に危険が及んでいることを中村さんはご存知だったと言います。銃を持った警護が常に同行する日常でも、現場に行くことをやめなかったのです。たとえ明日死ぬとしても、今日自分がすべきことをする。中村さんはそう決めておられたような気がします。
志半ばでたおれ、無念でしょう。でも、日々すべきことをやり抜いて天に召されたのですから、全うされたとも言える気がします。中村さんの生き方を忘れません。
忘れないことで、中村さんは生き続けるのです。
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