2022年9月4日日曜日

おばあちゃんの旅立ち


 8月30日におばあちゃん(夫の母・97歳)が旅立ちました。2日ほど前からいつでも連絡が取れるようにと言われていて、29日の晩に危篤との知らせがあり、駆け付けた夫の見守る中、眠るように息を引き取ったそうです。

 享年98歳。大正に生まれ、昭和、平成、令和と生き抜いた生涯でした。2000年におじいちゃんが亡くなった後一人暮らしを続けてきましたが、次第に認知症が進み、10年前からは夫が同居して世話をしてきました。2018年に自宅で転んで骨折し入院。車いすになって自宅での生活が困難になり、老健を経て今の施設にお世話になりました。

 私たちが最後に会えたのは2019年のお正月。札幌の娘も大阪の長男も一緒に、家族5人で特養に面会に行きました。認知症が進んだおばあちゃんはもう誰のこともわからない様子でしたが、娘には少し反応したような気がします。程なくしてコロナ禍となり、夫でさえ面会ができなくなってしまいました。

 それでも特養では変わらぬ日常を職員のみなさんが守ってくださって、施設だよりに時折満面の笑みの写真が載りました。おばあちゃんに家族と会えないさびしさや住み慣れた家で過ごせない悲しさがあったのかどうか知ることはできませんが、自宅では味わうことのできない楽しい一瞬や生き生きとした時間があったことは間違いなく、おばあちゃんの最晩年を支えて下さった特養のみなさんには感謝してもしきれません。

 看取り介護に入ってからは特別に面会も許され、夫は毎日会いに行き、夫の弟夫婦も別れを告げることができました。介護ノートにはわずかに口にできたものについても記してあり、おばあちゃんが最後に食べられたのは夫が差し入れをしたハーゲンダッツのアイスクリームだったそうです。

 遺影は特養で行事の時に撮ってくださっていた写真を職員さんにお願いして集めていただいた中から選んだ90代後半の笑顔ですが、棺のおばあちゃんはまだしっかりしていた時分の張りのある表情に戻っていて、本当に若返って眠っているみたいで不思議でした。お骨になったおばあちゃんを4年と5か月ぶりに自宅に連れて帰りました。

 これからいろいろな片付けをしていかねばならず、急に忙しくなりました。おばあちゃんが良しとしてくれるように後始末ができたらと思います。 

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