2018年10月8日月曜日

心残りないように


 台風一過の青空の下、秋祭りの屋台が通り過ぎました。


 さて、おばあちゃん(夫の母93歳)は老健で穏やかに日々を送っています。夫が毎日会いに行っても、寝ている時が多いようです。

 そんなおばあちゃん、いつも「ヨッチャンは」と夫を呼んでいるようで、夫が行くと施設の人が「ヨッチャンが来てくれましたよ」とおばあちゃんに言われるとか。

 ところが先日のこと、「お母さんが『サトシ君、マコトちゃん』とおっしゃってましたよ。初めて聞くお名前ですね」とのこと。

 サトシは夫の弟、マコトは夫が生まれる前に当歳で亡くなった兄の名前です。

 実はおばあちゃんとサトシさんは折り合いが悪く、もう何年も顔を合わせることもないまま過ぎているのです。おばあちゃんは今は元気ですが、高齢なのでいつ何があってもおかしくありません。このままおばあちゃんが亡くなってもいいのかなぁ、和解するのは今しかないんじゃないかな、それを取り持てるのは夫だけじゃないかな・・・とずっと思っていた私です。

 おばあちゃんが『サトシ君』と呼んでいたという話がきっかけになって、夫がようやくサトシさんの家を訪ね、「おふくろの見舞いに行ってやってくれないか」と話をしました。

 サトシさんは人生の節目節目でおばあちゃんに進路を無理強いされたことや、お連れ合いがおばあちゃんに尽くしているのに感謝もない(気に入らない嫁と冷たく当たる)などが積み重なり、認知症を発症したおばあちゃんが「お金を取っただろう」と家に乗り込んで来て、近所に筒抜けの大声で怒鳴り散らしたことが決定打となって、「親子の縁を切る」と思い定めていたそうです。

 はじめは「他人だから見舞いに行かない」とかたくなだったサトシさん、最後には「兄貴の顔を立てて一度だけ行ってもいい」と言ってくれました。

 一度のお見舞いで和解はできないかもしれませんが、今の歳がいって弱ったおばあちゃんの姿を見て、どんな方向か分からないけれどサトシさんの中で折り合いがつけばいいなと思います。

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