2020年2月16日日曜日

安克昌先生、中村哲先生


 NHKのドラマ『心の傷を癒すということ』。阪神・淡路大震災から25年という節目に、震災当時若き精神科医として被災者の心のケアに手探りで取り組んだ安克昌先生の物語。

 20年近く前に文庫本で安先生の『心の傷を癒すということ』を読んだとき、うつ病で苦しい時期でしたが、支えられるような気がし、安先生を身近に感じました。その時すでに安先生はこの世を去っていらっしゃったのです。

 その後も、喪失を体験したときや東日本大震災が起きた時などに何度も読み返しました。東日本大震災が起きた時、この本はすでに手に入らなくなっていましたが、心のケアに携わる何人もの方々が出版社に復刊を呼び掛け、増補版『心の傷を癒すということ』が出版されました。そして今回テレビドラマになるにあたって、再び作品社より新増補版『心の傷を癒すということ』が出版されています。

 その本でしか知らない安先生に、ドラマで会えました。

 どのシーンも本当に素晴らしいドラマでしたが、特にラストの去年のルミナリエの場面は温かく優しく心に沁みました。亡くなった人はきっといつまでも身近な大切な人を見守り続けている。そしてまた、遺された人の決して平坦ではなかったであろう歳月もまた、亡き人のまなざしに癒されるのではないかという気がします。

 柄本佑さんの安先生は本当に安先生でした。


 また、去年12月4日にお亡くなりになった中村哲先生。

 その後手に入らなくなっていた著書が再版され、手元に置いて読むことができるようになりました。片っ端から注文して取り寄せました。いずれもこれまでに図書館で借りて読んだ本ですが、改めて中村先生に出会う気持ちで読んでいます。

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